インターネットは2036年に破綻する

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コンピュータは,時間をどうやって決めているのかというと, 適当な時刻を起点にして,そこから何秒経過したかによって現在時刻は算出されています。

2036年問題

インターネットにつながったコンピュータは,NTP (Network Time Protocool) というプログラムを使って時間を同期さています。 このプログラムは,世界標準時の1900年1月1日午前0時0分0秒を起点にし, そこから何秒経ったかによって現在時刻を計算しています。 ちなみに今,1900年1月1日午前0時0分0秒からどのくらい時間が経っている かというと, (現在)= 秒経っています。

このプログラムは起点時間からの経過時間を 4294967295 秒までしか数えることができません。 これはコンピュータの内部で数値の表現が 2 進数という特殊な表現で扱われ, 2進数で32桁,111111111111111111111111111111112 秒までしか表現できないことによります。指が32本で数えられる数の最大値というわけです。

数えきれなくなると,どうなるのかというと 0 に戻ってしまいます。 世界標準時の1900年1月1日午前0時00分00秒から 4294967296 秒後とは, 世界標準時で2036年2月6日午前6時28分16秒,日本時間に直すと 2036年2月6日午後3時28分16秒です。この時刻に,NTP の日付は1900年に戻ってしまいます。 インターネットを利用した時間調整が全くできなくなるのです。 何が起こるか,誰にも予想がつきません。

2038年問題

C 言語と呼ばれる言語で日時を決めているプログラムは, 世界標準時の1970年1月1日午前0時00分00秒から何秒経過したかによって日時を算出しています。

C の場合は,31桁です。つまり 4294967295 秒までしか数えられません。 世界標準時の1970年1月1日午前0時00分00秒から2147483648秒後, 世界標準時でいえば,2038年1月19日午前3時14分08秒です。 日本時間では2038年1月19日午後12時14分08秒になります。 この時刻になると,C で書かれたプログラムの日付は 1970 年をさかのぼっていきます。

で,何が起こるのか?

どうなってしまうのか,予想がつきません。 パスワードの有効期限が切れたようになってだれもログインできなくなる, などは容易予想がつきますが,もっと深刻なところでは, 銀行の預金が下ろせなくなる,預金残高が 0 になる,などが心配されています。 2036年問題,2038年問題はかなり深刻で, マスコミを騒がせた2000年問題の比ではないとされているのです。

データが初期化されたり,使えなくなったりする機械が多発すると予想されています。

ミサイルが誤射される?

2000年問題のときには,コンピュータの誤作動でミサイルが誤射され, 戦争になるという懸念が心配されました。 または,ミサイルを検知する早期警戒システムが誤作動するなどの理由により, 戦争に発展してしまうということが予想されたため, 1999年9月10日アメリカとロシアの間に「戦略安定センター」 という核関連施設を監視する施設が設置されました。 これは1999年12月から2000年1月の間だけ設置されていたのであり,今はもうありません。 同じ危惧が 2036 年,2038 年でもあるわけです。 言うまでもないことですが, アメリカとロシアだけが核ミサイルを持っているわけではありませんね。