メンデルの法則

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メンデルの法則について書きます。というのは,雑学の話, なぜ植物は自家受粉するのか の中で,

遺伝子には,優性遺伝子と劣性遺伝子とがあるのはご存知のことでしょう。 例えば,茶色のひとみを持つ両親から,青いひとみを持つ子が生まれたりします。 これは青いひとみの遺伝子が劣性だからであり,優性遺伝子の方が発現するためである とされています。このようにすべての劣性遺伝子が有害であるわけではありません(青い ひとみであろうとも生存にとって不利になることはありません。それどころか私などは, 青いひとみ北欧の女性を見ると神秘的で美しいなーと感じてしまいます)。

映画ラブリーボーンより
映画ラブリーボーンより

と書いたところ,なぜ茶色いひとみの両親から, 青いひとみの子が生まれるのか?という質問が寄せられたからです。

非常に簡単な計算で,このことが示せます。 たとえば,茶色い瞳になる遺伝子を A,青い瞳になる遺伝子を a と表わすことにしましょう。 A は優性遺伝子で,a は劣性遺伝子です。 子は親から一組の遺伝子を受け継ぐわけですが, その遺伝子が優性であれば表現型として出現し, たとえ劣性の遺伝子を持っていたとしても, 優性遺伝子の陰に隠れてしまいます。 つまり Aa という遺伝子を持った人は, 茶色の瞳と青い瞳との両方の遺伝子を持っているのですが, 現れる表現型としては茶色になるわけです。

両性生殖の場合,卵子,あるいは精子は,減数分裂して片方の遺伝子のみなります。 すなわち,この場合 A か a かになるわけです。 その卵子なり,精子なりが受精して再び 2 倍体になるわけですが, 相手(配偶者)も Aa の遺伝子を持った茶色の瞳だったすると, 産まれてくる子どもの遺伝子の組み合わせの可能性は,以下の表のようになります。

劣性遺伝子の出現
親の遺伝子
Aa
親の遺伝子 AAAAa
aaAaa

これを数式で表わすこともできて,

(A + a)2 = (A + a) × (A + a) = AA + Aa + aA + aa = AA + 2Aa + aa

みたいになります。すなわち,AA:Aa:aa = 1:2:1 の割合で子が生まれることになります。 AA もしくは Aa であれば,茶色の瞳を持つことになるわけですから, 結局 3:1 つまり 1/4 の確率で,茶色の瞳を持った両親から, 青い瞳を持った子が産まれることになります。