第114回月例ロービジョン研究会
小田浩一, 2009/1/17
1. 概要
- 日 時:2009年1月17日 (土) 13:30-19:00
- 場 所:杏林アイセンター 10F第3会議室
- 参加者:(敬称略五十音順)
- 新井千賀子@杏林アイセンター
- 岡島喜謙@筑波大学理療科教員養成施設
- 尾形真樹@杏林アイセンター・東京ライトハウス
- 小田浩一@東京女子大学・東京ライトハウス
- 香川スミ子@浦和大学総合福祉学部
- 小林巌@東京学芸大学
- 最所祐二@パナソニック電工
- 鈴木理子@井上眼科(夜の会から参加)
- 宮地泰造@東海大学
- 山口愛@ベネッセ
- 山中今日子@東京女子大学コミュニケーション学科
- 山中幸宏@アサクラメガネ
- 吉野由美子@高知女子大学
* 東京ライトハウスは、視覚障害のある人への新しいサービスを模索・実施するNPOです。
2. プログラム
以下のような演題が発表されました。
- 小田浩一@東京女子大学・東京ライトハウス
「前座」
- 会員の嬉しい消息:会場にきた人にだけそっとお知らせしました。
- 文献紹介:ロービジョンの人たちに最適なサイン書体の選択
Zuvela, B., Gold, D., Ineson, M., Hope, S., & MacDonald, L. (2008). Choosing the Best Signage Typeface Font for People with Low Vision. AER Journal 1(1), 81-83.
-
研究紹介:韓国語の読書評価の試み
韓国からの留学生と共同で韓国語のMNREADをつくり、留学生19人を被験者に読書評価した結果の概略を紹介した。
- 吉野由美子@高知女子大学
- ユニバーサルなカラオケ体験:歌詞の拡大表示と点字ディスプレイでの表示(日本テレソフト)。体験の詳細については、ブログを参照ください。
- つい先頃行われた弱視育研究会について
- 最所祐二@パナソニック電工
「調布のプロジェクトの報告」
駅前半径500mの地域のサイン誘導の方法のアイデアを報告し、
議論をした。参加の全員が効果的なサインのアイデアであると評価したが、
現地実験のためのスポンサー探しに苦労しているということであった。
- 尾形真樹@杏林アイセンター・東京ライトハウス
「ロービジョンの人の引っ越しから考えること」
引っ越しをして一人暮らしをするロービジョンの人の場合、
どういうことに配慮をする必要がありそうかを、弱視問題研究会での
座談会から抽出したり、実際の事例から考えてみた。議論の中では、
一人暮らしでない場合は、引っ越しでなくても退院して帰宅した
場合でも、家族の対応について対処することが非常に重要であること、
また、個別のケースに固有の問題があることも多いので
実際に訪問してみることが解決の近道であるという指摘があった。
- 山中幸宏@アサクラメガネ
「年代に関係が少なく“調節緊張=昔風に言うと仮性近視”があった症例」
調節緊張による近視が-0.25〜-0.75Dほどみられるケースを複数報告。
年齢は50歳でも。ほとんど調節力がなくなっていると言われる年齢でも見られる。
調節麻痺しないオートレフでの検査結果のまま眼鏡を処方すると過矯正になる
可能性があることを示唆している。
- 新井千賀子@杏林アイセンター
「周辺視野で拡大読書器を練習している症例:やはり限界?」
加齢黄斑変性で大きな中心暗点がある事例。14インチでは画面に1文字程度
までの拡大が必要で読めるという状態ではない。CCTVで目で読むのは限界だろうか?
PCの利用をこばむので、音声での読み上げが導入できないが英語の文章を
読みたいという強い要望がある。->大型ディスプレイでの検討が
必要ではないだろうか?ref: 中村仁美・小田浩一・湯澤美都子 (2001).
プラズマ大型ディスプレイを使った加齢黄斑変 性のロービジョン患者に対するエイドの処方.
第105日本眼科学会総会-日本ロービジョン学会学術展示.
この後10人ほどで、杏林近くのまんぼうで新年会をしました。
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